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世界中に存在する民族や宗教は数えきれない程に細分化し、地域や派閥の数だけ、祭祀やそれにまつわる神や懺悔のバリエーションも豊かになっています。しかし、SNS映えのための滝行やプチ座禅のようなものまで出現してしまったことには違和感を覚えはしないでしょうか。

そこで新しい祭祀としてこのパフォーマンスは実践されました。神の化身(=布に包まれた2人組)が、1人の男性の腹に乗せた黒い液体をまぶした米を咀嚼し、液体だけを口の中で除いて、白い米にして嘔吐しています。黒い液体は罪、咀嚼は浄化のメタファーであり、男性は自らの罪が完全に浄化されるまでじっと耐えることで懺悔します。

 

咀嚼や嘔吐するという行為は、食べ物を摂取するためや自身の身体のために行われる、人間以外の動物にもみられる実に原始的な行為であると考えます。多種多様な祭祀の1つとして、民族や宗教や地域を超え、生き物であるという立場から、罪を浄化することについて思考しました。

​咀嚼

performance -2015

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